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断片
数多の書物が本棚から溢れ出すようかのに乱雑に積まれた研究室らしき部屋、
わざとらしい木の板があり、「押切宇宙言語学研究室」と毛筆書きで書かれている。
白髪で髭を生やしたオシキリ教授が、必死の形相で巨大な海老と戦っている。

海老、ものすごい勢いでハサミのついた腕を振り回すが、
オシキリは素早く後ろに跳びはねて攻撃を回避する。

しばらくの間にらみ合う海老とオシキリ。ややあって、ノックの音。
助手のエスカワが入ってくる。呆然として声の出ないエスカワ。

 エスカワ:「…失礼しました!」

慌てて去ろうとするエスカワ。
教授、我に戻りドアに駆け寄ってエスカワの肩を掴む。

 オシキリ:「あ、いや気をつかわないでいいんだよ…」
 エスカワ:「いや、すみません、また改めて!」
 オシキリ:「いや、大丈夫だから!」

そうしている間に、海老、部屋の角で神妙な面持ちをし、正座する。
エスカワ、いぶかしげに海老へと目をやりながら、部屋に入ってくる。

 オシキリ:「何か用かね、エスカワくん?」
 エスカワ:「…いや、えーっと。教授が私をお呼びになったんじゃありませんか」

間。

 オシキリ:「ああ、そうだったかね…。ちょっと失礼!」

オシキリ、散乱する本の一冊をパラパラとめくる海老の頭に、
猛烈な空手チョップを食らわす。悶絶する海老。

 オシキリ:「油断しおって…クク…」
 エスカワ:「…あ、あのやっぱり私、失礼します!」
 オシキリ:「いやいや、ちょっと待ちたまえ。そうだそうだ、実は君に大事な用件があってな」
 エスカワ:「は、はぁ…」
 オシキリ:「まぁ座りたまえ」

オシキリ、部屋の奥にある大きな椅子に座り、エスカワにソファをすすめる。
素直に座るエスカワ。相変わらず苦しそうにする海老。

 エスカワ:「…あの、アレ (海老) 大丈夫なんですか?」
 オシキリ:「話を戻そう。君、キハスジ語という言語を知っているかね?」

暗転。不意に沈黙。

 スライド:「この日を境にエスカワ・フナオの」
 スライド:「研究者人生は大きな転機を迎えることとなる」
 スライド:「エスカワはオシキリ教授の命令により」
 スライド:「サンプル収集のため未開の惑星スナモドリへ」
 スライド:「色のない緑色の概念が」
 スライド:「猛烈な勢いで覚醒を始める」

暗転。海老とオシキリがデビッド・バーンの音楽に合わせて踊り狂っている。

 スライド:「第1部 オグム・ラナトーゲ」
# by komorevion | 2010-03-31 00:35
昔話
昔々ある 24 カ所に 2378 人のおじいさんと 3290 人のおばあさんがいました。
おじいさん達は各所で小隊に分けられ兵士としての訓練を受け、
おばあさん達はそれぞれの特技を生かして兵器の開発や戦略シミュレーション、
食料調達などを担当していました。
彼らは年老いてこそいましたが、戦争のプロフェッショナルだったのです。

そのようにして日々仮想敵に配慮しながら、訓練を積んでいる彼らでしたが、
ある日、彼らの難攻不落の要塞の一つであるマルクハルへと、
北北西から黒く巨大な黒い影が接近していることをレーダーが感知しました。

その異変に最初に気付いたのは、マルクハル近郊の砂漠で野外訓練を行っていた
一個小隊でした。
午前六時からの基礎訓練を終えた彼らが、野営のテントで休養をとり、
湿布を貼り替えながら世間話に花を咲かせていたところに、
見張りに立っていた 82 歳のおじいさん、名前はハムルと言いましたが、
彼が息も切れ切れ、北の空に何か得体の知れぬものが近づいているのを
告げたのでした。

小隊はただちにマルクハルの中枢へと事態の報告し、
マルクハルの総帥はレーダーの観察結果と共に軍本部へと情報を送信しました。
おじいさんとおばあさん達は俄に張りつめた緊張のムードに包まれました。
全軍に警戒レベル S が通達され、その黒い謎の物体には、
臨時に「影太郎」というコードネームがつけられたのでした。

(続く)
# by komorevion | 2010-03-10 10:37
夢で読んだサザンオールスターズの新譜の歌詞カード.txt
銀の鈴が大地を鳴らす
柿の実が落ちて惨禍をもたらす
時に笑いて時に涙を流す
私は時計 私はジャズダンス
私の心は珊瑚礁
私の熊は三叉路熊
何故に地球は回るのか
何故に地方は過疎化するのか
Oh Yeah... 愛の夏が力を持て
# by komorevion | 2010-03-03 23:35
test
買う梅にて寒月の香り、終の炭をおり溜めては、日頃ぞ雄々しき獣ばかり夢見ける
神僧のおごりに怒りて和み御奉りければ、されど常のことにあらず
# by komorevion | 2010-02-28 01:31
fragments
昔のブルースやらロックの歌詞にはよく "blow off one's mind" という歌詞が出てきて、これはだいたいが冷たくされた男が女に向かって「お前はひどい仕打ちでおれの心を吹き飛してなんてつれないやつだ」みたいな風に使われているように思うんだが、僕はこの表現が何となく好きでよく自分の心持ちに当てはめる。女の子にこっぴどく振られてしまったときはもちろん、修士論文の発表会で怖い教授にボロクソに言われたときとか。なんで好きなのかはわからないけれど、たぶん '50 〜 '60s のスピリットを感じるのと、語感がじめじめしていなくてカラッとしているといる感じが好きなんだろう。心が風に吹き飛ばされてしまう。

**

思春期を過ぎてから夢中になって音楽を聴くということがなく、喧噪な場所を避けて静寂を好む傾向にある。まあみんなワイワイ騒ぎたい気持ちもわからないでもないし、否定するわけでもなんでもないんだけど、騒がしい場所で慣れない人たちと必死になって心の開き合いっこをしているよりも、こうやって静かな明け方のファミリーレストランで読書をしている時間のほうが圧倒的に落ち着く。

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白くペンキで塗られたノブのついたドアの前で、ジェイコブスは帽子を手前に持ち、顔を俯かせて吃りながら必死に弁解をしていた。

「勘弁してくだせえ、旦那さま。おらは何も取ってねえ。旦那さまの大事な小箱を盗んだのはおらじゃねえだよ」

ミスター・スミスは仁王立ちしたまま動かない。でっぷりと太った顔の中の、肉にうまった瞳からは何一つ感情が読み取れないように思えた。

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タイムイズマネー。そうしてまったくどこにもたどり着かないまま夜は明ける。人生は続く。
# by komorevion | 2009-01-31 06:56
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